2016/09/7

伝統工芸 備前焼が届くまで

 

|備前焼の歴史・特徴

備前焼は、古来より、日本の農業と密接な関係をもつ陶器として、自然界に存在するものだけを利用して、焚かれ続けている焼き物です。

 

岡山県南部における地理的条件のもと、鉄分の多い備前の「田土(ひよせ)」を、「稲わら」で巻き付け、「松割木」で2週間焼成することにより、自然の色彩を醸し出す備前焼は、1000年変わらない伝統的な技術が受け継がれています。

 

特に、素材の土づくりでは、田んぼの土と山土、黒土を混ぜ合わせ、数年寝かせてから使うことが多く、その配合のしかた、寝かせる期間など、土づくりには技量が大きく影響します。そして、備前の細かくねっとりとした土を何年も寝かせていると、微生物が繁殖し、80種類を超える酵母が生まれるため、美しくしっとりと吸い付くような器に焼きあがります。

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|現在(いま)も続く伝統技法

備前焼を伝統工芸品として定義するにあたり、産地特有の「性質」と、古来より伝承している「技法」を守り続けることがとても大切になっております。したがって、どちらか一方だけでは備前焼とは言えません。

 

そのように備前焼を理解し、「心技体」が三位一体となって、優れた作品を世に送り出すことができた人に対し、日本無形文化財保持者いわゆる「人間国宝」という名誉が渡されるのです。

 

 

|備前焼が届くまで

このように弊社が扱う伝統工芸品 備前焼は、製作工程において、熟練の技術に加え、一品一品手作りによるものしか取扱いをしておりません。これは、上述の通り、伝統工芸品としての持ち味を失わせないことや、限りある資源を有効に維持・活用していくためです。

 

したがって、受注生産が主な販売方法となり、数カ月~半年はかかる納期を早めることができません。また、完成する商品の出来具合をあらかじめお伝えすることもできません。窯焚きの結果、見られる焼き色模様は、統一することができませんし、作り手でさえも100%完成図を予想することができません。

 

しかし、その代わりに、自然の力が組み合わさってできた商品は、他に類のない唯一無二のもの、世界に一つだけのものができあがるのです。

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|伝統工芸と豊かな生活

いまの日本には、日用品から食品まで海外製品で溢れていますが、それらを購入するということは、部分的であれ、海外へお金を落としていることになります。

 

自分たちの生活を少しでも豊かにしていくために、日本人の手でつくられた日本の製品をできる限り選択して購入する。弊社は、このような積み重ねが、日本の暮らしを守ることにつながると信じております。

コップ一つでもいいのです。これは日本のどこの誰がつくったものでね。と話ができる商品が身の回りにあること。つくり手の想いを感じとれるモノが生活のなかに一つでもある暮らしを増やしていきたいのです。

 

伝統工芸 備前焼を日本の暮らしを守る商品の一つとして、一日千秋の思いで完成を待ってくださるお客さまを大切にしていきたいと思っています。

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(写真・記事・編集)竹田俊亮